Hyper-Vを取り上げた理由など。興味ない人は読み飛ばしてください。
Hyper-V Server 2012 R2のインストールに至る経緯など
約3週間前になるが,うちのメインPCのC:ドライブがついに壊れた。その次の週末から暇を見つけてはコツコツ修復作業をしている。
このマシン,約6年前に購入したもの。Windows 7 Ultimate 64bit。CPUはIntel Core i5 2.66GHz,メモリは6GB,1TBのハードディスクを二つ搭載していた。このうちのC: ドライブが壊れた。
今回,時間が掛かっているのは,もちろん,平日はほとんど時間が取れないということもある。それと,すでにうちの家族は一人1台のラップトップを持っており,メイン マシンは単なるファイルサーバーになりつつある。そして,メインマシンに保存しているファイルは現在毎日更新したりする必要がなく,システムの再構築には緊急性 がなくなっているというのも,理由のひとつだ。
しかしそれ以外に二つの重大な理由がある。まず,単なるハードディスク交換ではないことが理由のひとつ。WindowsをインストールしていたC:ドライブがいかれたわ けだから,当然システムを再構築しないとならない。
二つ目は,ただ普通に再構築するのも芸がないと思い,今回は二つの新しい試みをしているということだ。その二つとは
- システムディスクをSSD(Solid State Disk)とし,システムの高速化を図る。
- Hyper-V Serverをベースとし,その上に仮想マシン(VM)として,いままでのWindows 7を再構築する。
この中で上記2番が今回の再構築最大の目玉である。
これにより,このあと別システムをVMとして追加できる。もっとも,現在メモリは6GBで,そんなにたくさんVMを同時に走らせることはできない。よくて二つか三つだとは思っている。この再構築のあと,一番やりたいのは最新版CentOSをインストールし,現Webサーバーの後継システムを試用することだ。まあ,これはまた追々やろうと思う。
とにかく,今回は,まずHyper-V Serverをインストールし,その上にWindows 7のVMを作るという2段ステップでいくことにした。
ということで,このHyper-Vにからんだ一連のことを記録しておきたい。
なぜHyper-V Serverなのか?
なぜHyper-V Serverをベースにしようと考えたのか?
登山家になぜ山に登るのかというのと同じで,そこにHyper-Vがあったからである。
仕事上,いやおうなしにHyper-Vを使い,いろいろと学んでいる今日このごろである。
今まではVMwareのESXサーバーを使う機会が多かった。その経験から,初めてHyper-Vを使ったときは,普通のWindows Server OSがハイパーバイザーに変身して,その上で複数のVMが同時に走るということに,単純に驚いたし,ESXサーバーに比べたら,とても親近感を感じたのである。これはもっといろいろと試してみたいなという興味が自然と湧いてきたのであった。今回,これを自宅で試すチャンスが訪れたわけで,これはやるしかない。
Windows Server OSは個人で使うにはあまりにも高価だが,Hyper-V Serverは無料で使えるという点がすばらしい。ちなみに,補足しておくと,Hyper-Vというのは,通常,Windows Server OSに備え付けの機能,Windows Server OSの用語としては,正確には「役割(Role)」のひとつである。このRoleを追加するだけで,Windows Server OSとハードウェアの間にハイパーバイザとしてHyper-Vのレイヤーが挿入され,Hyper-Vのホスティングが簡単に始められる。これがHyper-V最大の魅力といってもいい。
これに対し,Microsoft Hyper-V Serverというのは,Windows Server OSのコア部分と,Hyper-V に必要な最低限のコンポーネントだけを提供するものだ。Microsoftはこれを無料で提供してくれる(無期限の試用を許可している)。ただし,GUI(グラフィカルインターフェース)は一切なく,基本的にはコマンドですべてを行うことになる。これについては,いろいろと裏技があり,ある程度はGUIを使うことができる。この裏技について報告,記録することも,この記事の大きな目的のひとつである。
なお,Windows 8からは,Client向けWindows(Windows XP,Vista,7,8,8.1の流れ)でもHyper-Vの機能を追加できるようになった。現時点ではWindows 8とWindows 8.1。 そして今年後半に出るWindows 10でもHyper-Vが追加できるはずだ。
で,最初はWindows 8.1を新規購入してしまおうかとも考えたが,なじみのショップで「もうすぐWindows 10が出るよ。それでも買う?」と言われて,躊躇した。で,じゃあ,今回は無料で済むHyper-V Serverで行こうと決心した。
ハードディスクの交換と構成変更
さて,Hyper-Vの話に入る前に,そもそものきっかけとなった,ハードディスクの故障に対処しなければならない。C:ドライブを担当していたSATAの一番目のハードディスクが壊れてしまった。で,上記のとおり,このシステムディスクを,今回SSD(ソリッドステートディスク)にしたい。そこでショップで購入したのがこれ。
Kingstonの240GB SSD。なじみのショップでセール品を$149で購入。だいぶ値段がこなれてきたけど,やっぱり臨時支出としては痛い金額だ。120GBでもいいかとも思ったが,あいにく在庫がなかったので面倒なのでこれにした。逆にもっと大容量のものもあるが,これ以上の出費はちょっと勘弁である。
いままで1TBだったシステムディスクが4分の1以下の240GB に減ってしまったので,代わりにもう一台HDDを追加した。これは,現在使ってないPCボックスから引っこ抜いたものを流用した。もともとはFedoraのシステムディスクだったもの。容量は500GBなので,これを足しても今までより少ないが,まあ,この程度でいいだろう。これを仮想マシンのシステムディスクの仮想ディスクファイル領域として使おうと思っている。
ということで,内蔵ディスクの構成は,
- 240GB SSD: Hyper-V Server システムディスク
- 500GB SATA HDD: Hyper-V VMのシステム用仮想ディスクファイル領域
- 1TB SATA HDD: 今まで使っていたデータディスクをそのまま使い続ける。
ただし,3.には今後VMのデータディスクの仮想ディスクファイルを入れる。まず作るのはいままでのWindows 7 Ultimateを修復したVMである。このマシンのD:ドライブだった内容は,基本的にはこの仮想ディスクに移していく予定だ。同じディスク内で,実ファイルを仮想ファイルシステムに移していくことになる。
そして,これ以外にバックアップ用のE-SATA 2TB,そしてUSB接続で500GBの追加データ用のディスクもつないである。
下記にHyper-V Serverインストール後にdiskpartのlist volumeで出したボリュームリストを示しておく。
C:\>diskpart
Microsoft DiskPart version 6.3.9600
Copyright (C) 1999-2013 Microsoft Corporation.
On computer: MAOU
DISKPART> list volume
Volume ## Ltr Label Fs Type Size Status Info
Volume 0 F DVD-ROM 0 B No Media
Volume 1 C HyperVHost NTFS Partition 223 GB Healthy System
Volume 2 D VMSysVDH NTFS Partition 465 GB Healthy
Volume 3 E Data01 NTFS Partition 931 GB Healthy
Volume 4 G Backup NTFS Partition 1863 GB Healthy
Volume 5 H Data02 NTFS Partition 465 GB Healthy
Volume 0は見てのとおりDVDドライブ,1が240GB SSD,2が500GB内蔵SATA,3が今までD:ドライブだった1TBの内蔵SATA,4がバックアップ用2TB E-SATA(外付け),5がUSB接続の500GB SATA(外付け)である。