お約束の1週間なので,解答発表!もちろん,私のひとりよがりの解法なので,これが最適な考え方ではないかもしれない。
Q1. 8桁の数字がある。各桁の数字をアルファベットでABCDEFGHと表したとする。1から8までの数字をそれぞれ一度ずつ使って(つまり0と9は使わない)数字を作り, ABCが7の倍数,BCDが6の倍数,CDEが5の倍数,DEFが4の倍数,EFGが3の倍数,FGHが2の倍数(つまり偶数)になるような組合せをすべてあげよ。 |
[解答]
これについては,スマートに方程式などで解く方法は見当たらなかった。
ということは,ひたすら,力ずくで組合せを考えるのだが,かといって,すべてやっていたら大変。だから,いかに除外項目をたくさん作り,組合せを減らしていくかということがポイントになる。以下は私がやった方法であり,必ずしもこれでなければならないということではない。
まず,CDEという5の倍数に着目。3桁の5の倍数。1の位は0か5だけど,0は使わないので,これはまず,5に固定。
したがって,E=5。
それから,ABCDEFGHのうち,偶数の倍数であるBCDとDEFとFGHはいずれも偶数である。したがって,D, F, Hはいずれも偶数でなくてはならない。
ということで,このあと,延々と数字列挙の作業をするが,その際,常に適用する「共通ルール」ができた。
- 0と9は使えない
- 5はEに使うことが決定済なので他には使えない
- 同じ数字は一度しか使えない
- D, F, Hは偶数である
次にDEFという4の倍数を考える。共通ルールを考慮すると,可能な組合せは,以下の6通り。
256, 452, 456, 652, 852, 856
次,上記の下2桁プラス1桁でEFGという3の倍数を作る。
これは,電卓でがんがん計算するのが速い。
EFは,52か56だけだから,EFGは結局,528, 561, 564, 567の4通りしかない!
ここで,DEFGの可能な組合せを作っておくと,
256で始まるもの: 2561, 2564, 2567
452で始まるもの: 4528
456で始まるもの: 4561, 4567
652で始まるもの: 6528
852で始まるもの: なし
856で始まるもの: 8561, 8564, 8567
さらに共通ルールを適用して,DEFGHという偶数を作ってみる。
256で始まるもの: 25614, 25618, 25648, 25674, 25678,
452で始まるもの: 45286,
456で始まるもの: 45612, 45618, 45672, 45678,
652で始まるもの: 65284,
856で始まるもの: 85612, 85614, 85642, 85672, 85674
今度は,数字の前半を考える。
まず,BCDを考える。3桁の6の倍数で,共通ルールを満たすもの。
ここからは,力技になる。電卓を利用しないと日が暮れる。機種によって異なるが,たとえば私の電卓だと6++と押して,=ボタンを押し続けると,6の倍数が小さい順に出てくる。これを使って,共通ルールではじかれないものだけを列挙する。
途中で,もうひとつ気付くことがあって,もし3桁すべてが偶数だと,F, Hに回す分の偶数が足りなくなってしまう。そこで「3桁すべて偶数になってはならない」というここだけのルールを追加する。するとBCDとして可能な組合せは,
126, 132, 138, 162, 168, 174, 186,
216, 234, 276,
312, 318, 324, 342, 348, 372, 378, 384,
432, 438,
612, 618, 672, 678,
714, 726, 732, 738, 762, 768, 786,
816, 834, 876
またまた電卓を使い,ABCの組合せ(3桁の7の倍数)を順に出していき,共通ルールを適用,かつ,下2桁が上記BCDのリストの上2桁に合致するものだけを選び出す。それから,やはり,偶数が3個以上になると,F, Hに回す分がなくなるから,これも除外する。すると,ABCDの可能な組合せは,以下となる。
2174, 2318, 2738, 3714, 3786, 4132, 4138, 6372, 6378, 7216
あとは,前半の組合せと,後半の組合せで合体できるものを探すだけだ。もう少しである。
Dが同じもの同士をくっつけていけばよい。もうここまできたら,コピペで全部作ってしまおう。
2174で始まるもの:21745286, 21745612, 21745618, 21745672, 21745678
2318で始まるもの:23185612, 23185614, 23185642, 23185672, 23185674
2738で始まるもの:27385612, 27385614, 27385642, 27385672, 27385674
3714で始まるもの:37145286, 37145612, 37145618, 37145672, 37145678
3786で始まるもの:37865284
4132で始まるもの:41325614, 41325618, 41325648, 41325674, 41325678
4138で始まるもの:41385612, 41385614, 41385642, 41385672, 41385674
6372で始まるもの:63725614, 63725618, 63725648, 63725674, 63725678
6378で始まるもの:63785612, 63785614, 63785642, 63785672, 63785674
7216で始まるもの:72165284
この中で,1から8まで,まんべんなく1回ずつ使用して,ダブりのない数字を見つければいい。
答: 23185674, 27385614, 37145286, 41325678, 41385672 の5個。
—-
Q2. 正方形を5×5に並べた枠があり,以下のように白と黒で塗り分けられている。(フォントの関係で,きれいに表示されないかもしれないが,チェス盤のようなチェッカー模様になっていると思って見ていただきたい。) ■□■□■ □■□■□ ■□■□■ □■□■□ ■□■□■ この正方形に1から25までの整数を埋めていき,1を除く各々の数字について,その数より一つ小さい数が隣(上下左右いずれか)に,必ずあるように配置する。
|
[解答]
- 「各々の数字について,その数より一つ小さい数が隣(上下左右いずれか)に,必ずある」ということは,つまり,次の数字が隣(上下左右)になるように,1から25までの数字を順番に,埋めていき,25個のマスすべてを埋めるということである。ちょっと一筆書きに似ているが,線が交わったり,触れ合ったりしてはならない。つまり,一度通った点(マス)には再び帰れない。また,一筆書きが,ある形を完成させるのが目的であるのに対し,これはすべての点(マス)を訪問することが目的である。さて,このマス配置においては,1を黒に置いたら,以降,奇数は必ず黒,偶数は必ず白に置かれる。逆に1を白に置いたら奇数はすべて白,偶数はすべて黒に置かれる。黒のマスは13個,白のマスは12個あり,これはそれぞれ,1から25の中にある奇数の数と偶数の数に等しい。したがって,もし仮に1を白に置いたら,最後に25を置くための白マスがなくなってしまう。
- 対角線を1,3,5,7,9で埋めてしまった場合,対角線の片方サイドのマスをすべて埋められたとしても,対角線の反対側に返ることができないのですべて埋めることが不可能になる。
- 一例を以下に示す。
|13|14|15|16|17|
|12|11|02|01|18|
|09|10|03|20|19|
|08|05|04|21|22|
|07|06|25|24|23| - 対角線の合計を最小にするには,できれば,小さい順に1,3,5,7,9を対角線上に埋めたい。しかし,bに述べた理由でこれは不可能。そこで,このうち最大の9を外し,9からどちらか対角線の片方を埋めていき,9を埋めなかったために残っている対角線の切れ目を通って反対側に行くようにすれば,すべてが埋まるはずである。このとき,対角線の両側にある黒マスはそれぞれ4個ずつであるから,片側の黒マスは9,11,13,15で埋め,17で対角線を横切り,反対側の黒マスは19,21,23,25で埋めればよい。cがまさにそうやって25マスすべてを埋めた例である。これでこれが可能であることが証明された。よって,最小値は,1,3,5,7,17で対角線を埋めたときの33である。
—-
ということで,これがオジーの中学1年生の数学だ。結構,力技が要求されるところが,意外だった。まあ,上記の解答は,一応衆目の下に晒されるので,有る程度,時間をかけているが,中学生にどの程度の解答が期待されているのかは分からない。