Varekai

昨夜,Cirque Du SoleilのVarekaiを観に行った。いきなり,脇道にそれるが,Cirque Du Soleil,英語に直せばCircus of the Sunだよね。
で,日本では「シルク・ド・ソレイユ」などと,フランス語読みっぽいカタカナが当ててあるが,フランス語の発音をカタカナで表そうというのがそもそもムリ。英語以上に無理があるというもの。ま,それはいいとして,オーストラリアではどう読まれているか?

英語民族はどうもフランス語にだけはコンプレックスがあるようで,ドイツ語だとMichael Schumacherを「マイケルシュー真っ赤」って平気で読むくせに,フランス語だと,たとえばRenaultだったら,「レノー」とか言って(実際には最後の「lt」に対して,聞こえるか聞こえないかというぐらい小さく「ルトゥ」と発音している人が多い),比較的原音に近く読もうとする。で,Cirque Du Soleilはどうかというと,「サークィッドゥソレーィ」みたいな言い方だ。ま,「しるくどそれいゆ」よりはましだんべな。

さて本題に戻ってVarekaiである。
メルボルンでの会場は,オーストラリアンオープンテニスの会場,メルボルンパークのナショナルテニスセンターのセンターコート,ロッド・レイバーアリーナの隣に特設テントが作られている。Cirque Du Soleilはいつもこの場所である。真ん中が一番大きいテントで,ここが実際にショーが行われるアリーナ。そしてこの大テントの回りに売店などの補助テントがいくつか隣接される。

Cityの中心地,たとえばFlinders Street駅からだと,トラムで約5分でテニスセンターの裏口に着く。ここで下車して,ロッド・レイバーアリーナの脇を抜けて徒歩約5分で到着である。

内容は,ネタばれになるので書かないが,Cirque Du Soleilのサーカスとアートの融合したすばらしいショーは,さすがだった。
我が家では,いままでSaltimbanco,Alegria,Quidamと,メルボルンに来たCirque Du Soleilはすべて見てきて,今回が4回目。
とにかく初めて見たSaltimbancoは衝撃だった。Saltimbancoは特にバックバンドのクオリティーと音楽がすばらしく,単なるサーカスとは違う,全く新しい形のショーを見せ付けられた。これでもう完全にCirque Du Soleilのファンとなり,迷わずCDを買ってしまった。Alegriaはテーマとなるアートがやや地味で,ネクラ系だったが,歌曲がシャンソンをモチーフにしていて,特に女性歌手のこぶしの利いたハスキーボイスに魅了された。

Quidamは再びバランスの取れた楽しいショーだった。縄跳びのアクロバットには日本人のキャストもいたので,驚いた。たいていはロシアを中心とした東欧系,中国人が多いのだが。日本人は珍しい。

ちなみに今回のVarekaiは衣装デザインに日本人の名前がある。Eiko Ishioka。調べたら,これ有名な人ではありませんか。石岡 瑛子。といって分からなかった私が無知でした。映画のセットやコスチュームデザインで,アカデミー賞,カンヌなどで受賞している。いやホント,コスチュームデザインは,すばらしかった。

Varekaiの舞台は,森,それも熱帯雨林を思わせる舞台。ところどころに蒸気を噴出す穴があったりする。ここで繰り広げられるドラマに絡めて,アクロバット,力技,ジャグリング,バランスワザなどが繰り広げられる。繰り返すが,衣装が原色を多用した極彩色で,ものすごくきれいだった。音楽は,バンドが殆ど見えない位置にいて,Saltimbancoのような見せるバンドではなかった。しかし,アコーディオンやバイオリンのメロディーラインが魅力的だった。

アクロバットの中では,詳しくは言わないけど,冒頭の足芸と最後のブランコが圧巻である。それから後半のジャグラーも,いままで見たこともない新しいジャグリングがあって,よかった。はじめにバトンを使ったものすごい高速ジャグリングで2回バトンを落としてしまったが,これはまあ,その後の高度なワザで補って余りある。
あまり言葉で表現できないし,言葉での説明は無意味かもしれない。とにかくお勧めである。メルボルンでは今月24日まで,我々が行ったのは平日だったので,まだ空席がたくさんあった。週末を避ければ今からでもチケットが取れると思う。メルボルンにお住みの方で,まだの方は是非,行ってみてください。

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