今日からF1GP:オフィシャルプログラムを読んで(3)

オフィシャルプログラム要約+コメント3回目マクラーレン(昨シーズン3位):マクラーレンMP4-22/エンジン=メルセデス
監督:ロン・デニス
カーナンバー1:フェルナンド・アロンソ(スペイン)25歳
カーナンバー2:ルイス・ハミルトン(イギリス)22歳

(プログラム要約)
昨シーズン,マクラーレンは,1勝もできなかった。これは1994-96年の暗黒時代以来のことである。ロン・デニスに,過激という言葉は似合わないかもしれないが,この状態から抜け出すには,劇的な変化が必要だろう。超保守的で知られるマクラーレンだが,今年は挑戦の年。旧弊を一掃して,初めて新しい歴史が生まれるのだ。
ドライバーについては,ライコネンとモントーヤ,二人ともチームを去った。これ以上の劇的変化はない。
そしてアロンソが来た。若干25歳にして,すでにF1で15勝。2年連続のチャンピオンである。
ルイス・ハミルトンは初の黒人F1ドライバー。F1はまるっきりの初体験だが,輝かしい戦績とマクラーレンでの長年の努力が報われた。
マクラーレンは,世界中のハイクラスのスポンサーから潤沢な資金を得てきた。これがマクラーレン流である。しかし,なによりマクラーレンはレーシングチームであり,それ以上に勝つためのチームである。そのやり方に間違いはないはずだ。そのためのアロンソである。

(コメント)
2006年のワールドチャンピオン,フェルナンド・アロンソ。タイトル2連勝は,果たしてアロンソが本当に誰よりも速かったのか?それともルノーが速かったのか?
今シーズン,この答えが出る。その意味で非常に楽しみだ。アロンソのやや荒っぽいドライビングとマクラーレンがマッチするかどうか?
マクラーレンは昨シーズン本調子とは言えなかったが,それでもコンストラクターズ部門3位である。4位のホンダの1勝以外,ルノーとフェラーリが勝利を独占したことを考えれば,勝てないながらも,着実にポイントを稼いできた堅実さはしたたかですらある。まさにマクラーレンのお家芸と言っていいだろう。
そして,過去,何度もどん底からトップに這い上がってきたチームである。一歩ずつ,確実に勝利に近づいて行くことは,疑いもない。ただ,それが今の時点でどの程度近くまで来ているのか,それが問題である。
加えて,アロンソのしたたかさにも磨きがかかっている。新マシンの仕上がりがよければ,いきなり優勝もありだろう。
新人ルイス・ハミルトンもどの程度の速さか,本当に楽しみだ。
今シーズンの予想はコンストラクターズ部門2位。アロンソもライコネンに飲まれ,2位と予想する。ハミルトンは表彰台2-3回ではないか。


オフィシャルプログラムのコレクション
左上から右に,
1978年オランダグランプリ(ザントボールト)
1987年マカオグランプリ(F3,マカオ市街地)
1987年日本グランプリ(鈴鹿)- ステファン・ヨハンソンの直筆サイン入り
1991年,1992年,1994年,1995年オーストラリアグランプリ(アデレード)
このうち,1992-1995年のオーストラリアグランプリはプログラムを購入しただけで,実際には観戦していない。1991年は雨で決勝レースが中断,そのまま中止になったもの。プログラムもぬれてヨレヨレになっている。
本当は,もう1冊,1986年のサンマリノグランプリのものがあるはずなんだけど,見当たらない。見つけたらまた紹介します。

トヨタ(昨シーズン6位):トヨタTF-107/エンジンもトヨタ
監督:富田勉
カーナンバー11:ラルフ・シューマッハ(ドイツ)31歳
カーナンバー12:ヤルノ・トゥルーリ(イタリア)32歳

(プログラム要約)
2006年,トヨタは2007年から3年間,ウィリアムズにエンジン供給することを発表した。
ウィリアムズのマシン上でもトヨタの途切れなきカイゼンを実行する。これが狙いである。
2005年シーズン,トヨタは88ポイントを稼いで,コンストラクターズ部門で堂々の4位となった。ところが2006年シーズンは,わずか35ポイントで6位。表彰台もここメルボルンでの1回だけ。ポールも,ファステストラップも獲れなかった。まして,念願の初優勝には,まだまだ前途多難である。
ブリジストンへのタイヤ変更はどう出るか?テクニカルエース,マイク・ガスコインの離脱はどう響くか?前年のマシンTF-106Bでは,モナコで光が見えだした。後半10レース中,8レースでポイントを獲得。しかし,新生BMWに1ポイント及ばずの6位である。ライバルホンダが,ついに1勝をものにしたのと対照的に,不本意なシーズンだったと言っていいだろう。
トヨタは,元マクラーレン,ジャガーの空力スペシャリスト,マーク・ギランを得た。舞台裏ではTMGの山下副社長が技術開発,レース戦略を陣頭指揮している。
ウィリアムズへのエンジン供給は,労力の増加を意味するが,それ以上に両者間の技術的交流によるメリットを期待しているようだ。
5年目のトヨタ。2006年の不振をなんとか抜け出したい。ベテランドライバー二人で,未体験ゾーンに果敢な一歩を踏み出して欲しい。

(コメント)
トヨタ流は,2005年までうまく機能したが,去年ちょっとつまずいた。去年の上位チームの争いはすさまじいものであり,それに飲まれたのではないか?
これがF1の世界である。トヨタ流でもこの程度までは行くが,トップに昇り詰めるには,トヨタ流の殻を破った何かが必要ではないか?カンバン,ジャストインタイム,カイゼン。これだけではF1でたとえ1レースだけでも頂点に立つことはできない。かつてのホンダの桜井さんのような,カリスマリーダーが必要だろう。そして,セナのような天才ドライバーも必要である。
そして,もう一つ付け加えるなら,今や世界ナンバーワンの自動車企業になるのも秒読みに入っているトヨタなんだから,F1のルールをもっとトヨタに都合よく変えていけばいいのである。なぜそこに着手しないのか?ヨーロッパのチームは,みんなそうやって勝ってきたのである。F1は単なる運動会じゃない。
今シーズンも6位あたりが妥当な気がする。上位チームにトヨタが付け入るスキが見えないのだ。
シュー弟は,いよいよ正念場だろう。ドライバーズ部門で,5位は狙って欲しい。トゥルーリも同様だ。でもシュー弟7位,トゥルーリ9位ぐらいが妥当な線かなあ?

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