SP14第6週:スビアコの奇跡

先週はさぼってしまった。ラグビーユニオンのSP14(スーパーフォーティーン)はこのところテレビで見る試合がすべてつまらない。
先週第5週はオーストラリアチームに勝ちなしだった。ちょっとだけおさらいしておくと,
ブランビーズ(ACT)はいい所なしでブルズに力負け。(7-19)
レッズ(QLD)はライオンズ(SA)にもう一歩手が届かず。(20-26)
そしてオジーダービーのウェスタンフォース(WA)とワラターズ(NSW)は引き分け。(16-16)
この引き分け,試合全般,両チームにミスが多く,トライが少ないイライラする展開。
そして同点の終了間際,ワラターズはペナルティを得るも,サム・ノートンナイトが独断で,チョン蹴りから突進。これが失敗に終わりノーサイド。みすみす勝利のチャンスをフイにした。テクィリは終了後,頭にきてノートンナイトをうしろからど突いていた。

さて,今週金曜日。ウェスタンフォースはスビアコオバル(パース)でハリケーンズ(NZ)と対戦。
この試合も先週同様,肝心なところでミスが出てトライが取れない,見ていてつまらない展開だった。
しかし,終了10分前,事態が一変した。

11対10でウェスタンフォースのリード。この状態は後半のほとんどに亘り,なかなか均衡が破れない。
ところが後半30分ぐらいからハリケーンズの怒涛の攻めが始まり,ウェスタンフォースは防戦一方となる。
最後の死力を出しつくして球をつなぐハリケーンズは,ついにラックから抜け出し,ゴールポストにボールをタッチ。
これがビデオレフェリーとなる。ポストはゴールラインとみなすルールから,ボールがポストに触れていればトライである。
しかし,直前に手からボールがこぼれているところがはっきりと映し出され。ノートライ。ウェスタンフォースは窮地を脱したかに見えた。
5m地点からウェスタンフォースのマイボールスクラム。しかし,これがあっさりとハリケーンズに奪われてしまう。再び大ピンチ。
短いパスワークから,ゴパースがゴールラインにボールを届かせる。今度は文句なしのトライ。
ところがコンバートの合間に再生されたビデオでは,なんと,これもダウンボール直前にボールが手からこぼれていた。観衆は騒然。しかし一度確定した判定は覆らない。ゴールなって11対17。ハリケーンズが逆転。残り3分。

ここからウェスタンフォースは決死の反撃を試みる。終了1分前。右隅に迫る。思わず「そこじゃだめだあ!」と叫んでしまった。逆転にはどうしてもトライ後のコンバートが必要だ。そこにトライしてもコンバートが難しすぎる。しかし,これはあと一歩でハリケーンズのディフェンスに阻止される。終了30秒前。ラックからかい出されたボールは左に展開。そこだ!ほぼ中央に突進。これもだめ。再びボールが出てやや左に突進。これもだめ。相手ディフェンスも必死である。
そして出たボールはフライハーフ,ギトウから左隅に待っていたキャメロン・シェファードにロングパス。対面と1対1,残り5m。
外に一歩フェイクを入れ中に一歩。対面が釣られたと見るや,再び果敢に外にステップし,そのまま左隅に飛び込みトライ!16対17。

しかし,ライン際ギリギリからのコンバートは,あまりにも酷だ。キッカーはトライしたばかりのシェファード。
スキッパー,シャープはシェファードと肩を組み激励。「どんな結果になってもオレは恨まない。まっすぐ蹴って来い。」
ここのところキックの精度がもうひとつだったシェファードだが,この大一番で,これを見事に決め。18対17。ノーサイド。ウェスタンフォースが奇跡の逆転を成し遂げた。これで3勝2敗1分。ラダーで4位につけて,オジーのチームとしては一番いい位置につけた。

ウェスタンフォースはオーストラリアで4番目にできたSP14のチームである。結成にあたり,メルボルンにするか,パースにするか。候補地が二つに絞られ。最後にパースに軍配が上がった。もしかしたら。この奇跡はメルボルンで起きていたかもしれない。でも,いいや。とにかく,私はこれでウェスタンフォースのファンになった。

今週はブランビーズが先週の単調な継続「だけ」のラグビーを修正。そしてキャプテン,モートロックが復帰したこともあり,再三相手のディフェンスラインを突破。無難な勝利を収めた。

あとの2チームはいいところなし。レッズは若さあふれるプレーに,いままでにない展開ラグビーを加味したが,どうしても詰めが甘い。いつも見ていて負けた気がしないが,終わってみると負けていたという感じである。歯車がかみ合えば,きっと結果がついてくるだろう。

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