今日は父の誕生日。12月初旬から両親が我が家に泊まっているが,今日は父母をまじえて5人で高級住宅街,Toorakにある,某レストランで食事した。日本人経営で,日本食とフレンチのフュージョン料理が売りの店である。
我々が入る直前に親子連れ3人が入って,少し離れた席についていた。その後,どこからか,ここの店員以外に日本語をしゃべっているのが聞こえるので,誰だろうと思っていたら,その3人連れのお父さんだった。ほぼ完璧に近い日本語をしゃべっている。奥さんもそれほどではないが,かなり日本語ができる。
ワインも料理もおいしくて,家族一同大満足。デザートが出たあと,店員が電気花火を挿したケーキを持って登場した。予約した私には予想できたことなのだが,ここの店は予約時に,この食事が何か特別のイベントかどうか聞いてくれ,誕生日だというと,店から何か用意してくれるのである。
だから,ああ,来たな!と思ったのだが,その花火付きケーキが二つ出てきた。あれ?っと思っていたら,一つは父の前に,もう一つは先ほどの3人家族のお母さんの前に置かれた。偶然にも,父と誕生日が一緒だったのだ。
ハッピーバースデーの歌を歌い出すと,他のお客さんも一緒になって歌って祝ってくれた。これには,父も思わず顔をほころばせ,手を振って答えていた。
3人家族のさらに隣の席の人たちが,その後すぐに帰っていったが,帰り際にその中の一人の女性が,父のもとに歩み寄り,「ハッピーバースデー」と言って祝ってくれた。きれいなお姉さま(って,父にとっては孫のような年)だったので,父もすっかり浮かれてしまい。普段決してしゃべらない英語で「アイアムエイティーツー」と言った!お姉さんパワーは偉大だ!彼女は,あら,私のおじいさんと同い年!と笑って去っていった。
さて,3人家族の方もそのあと我々のテーブルに寄って来て,ひとしきりしゃべった。もちろん日本語でである。お父さんはドイツ人で,お母さんがオーストラリア人。お母さんの方は日本でオーストラリア領事をやっていたこともあるという。一家は芦屋,それも,あの六麓荘に住んでいたこともあるそうだ。その娘さんは,さすがに日本語はできないけど,うちの娘と一つ違いで,メルボルンでも有数の名門女子校に通っているそうだ。
やっぱり,場所柄,超リッチな人々がいるもんである。
でも,それにしても,店のお客様全員に祝福してもらえ,きれいなお姉さまには声をかけられるし,父もご満悦であった。これは日本ではまずありえないことだ。見ず知らずの人に祝福の言葉をかけるというのは,他人の喜びを祝福することで,その喜びを倍加することになるし,さらにはそれを自分の喜びにもしてしまうということなんだと思う。これは日本人も見習うべきだよ。
この店にして正解だった。いくらかは親孝行ができたかな?