2020年に続き,今年2021年のF-1 Australian GPが中止となった。2021 Formula-1-australian-grand-prix-cancelled
昨年も木曜日に会場に観客をいれながら,F1がフリープラクティスで登場する金曜日の朝に中止が決まった。当日朝には観客がゲートで並んでいる状態での中止だった。原因はF1レーシングチームのスタッフに感染者が出たことだった。
2021年の今回はというと。
日程を通常の3月から11月21日決勝に後ろ倒しにしたのに,
開催までまだ4か月も猶予があるのに,
メルボルンは数回のスナップロックダウンを経験したものの,現在感染者ゼロなのに,
シケインを一つ減らす工事を完了し,今までよりラップタイムが5秒縮まり,よりエキサイティングなレースが期待できたのに
ヨーロッパでは感染が収まらないのに観客を入れてレースを開催しているのに,
それでも中止とした。
メルボルンは現在感染者ゼロだけど,シドニーなどでクラスターが報告されている。また,無観客にするにしても,海外からスタッフが大勢入ってくること。さらにオーストラリアの他州からの人流を押さえられないなど,感染防止対策上の問題が多いこと。これらを受け,開催の最終決定のデッドラインである本日,中止が発表された。
東京はというと,
感染者がまたもや増加傾向にあるのに,
ワクチンの供給が滞っていて接種スケジュールが遅れているというのに,
過半数の人が開催に賛成していないのに,
オリンピック期間中もマンボウを続けるつもりなのに,
それでもオリンピックをやるという。
どうなってんの?
メルボルンでのF1 GPは1996年からアデレードを出し抜いて開催されるようになった。なんと,今日気が付いたのだが,ここメルボルンのアルバートパークで,ホンダエンジンは1度も勝っていないのである。
私がメルボルンに移住したのは1991年の5月,その年の11月にはもうアデレードまで車で行ってF1グランプリを観た。しかしその年は決勝レースが大雨となり,わずか17周でレースが中止となった。その時点で1位を走っていたアイルトン・セナが優勝。マシンはマクラーレン・ホンダ。私が見てきたグランプリで唯一ホンダエンジンが勝利したもの。しかしそれもF1史上,いまでも最短のレースとして記録されているこのレースでのもの。チャンピオンシップポイントも,規定により半分しか与えられなかったといういわくつきのものだ。
とにかく,本当の意味でホンダが勝ったレースを見ていない。
その前はというと,
1978年,まだ学生時代に友人2名と見に行ったオランダ,ザンドボールトサーキットでのオランダグランプリ。この年はロータス79・フォードが圧倒的強さを見せており,このレースではロータスのマリオ・アンドレッティとロニーピータソンの1-2フィニッシュ。勝利エンジンはフォードDFV 3リッターV8だ。
1986年,新婚旅行にかこつけて,イタリア,イモラサーキットで観たサンマリノグランプリ。このとき,ウィリアムズホンダが台頭してきたところだが,まだマクラーレンTAGやセナの駆るJPSロータス・ルノーとの激しいつばぜり合いをしていた時代。このレースでは終始マクラーレンTAGのアラン・プロストがリードし,これをウィリアムズ・ホンダのネルソン・ピケが追う展開。当時の規定では途中給油もタイヤ交換もなく,単調なレースが続いたが,最終周でプロストのマシンがガス欠となり,マシンを左右に振って燃料の最後の一滴を絞り出してゴール。5秒以上差をつけられていたピケはもう一歩のところで追いつけなかった。ということでここでも勝利エンジンはTAG。
そしてアデレードでの「半分」優勝を観た。
次の年はアデレード行きは諦めたが,このときゲルハルト・ベルガーがマクラーレン・ホンダで優勝している。この時行っていればなあ!ちなみにこれがホンダ第2期の最後の勝利だとのこと。
で,メルボルンではまだホンダが勝利したことはない。もうメルボルンに移ってから25年になるというのにである。
しかし,今年,ついに,ついにホンダの勝利を目の前で見るチャンスがやってきた。今シーズン,ホンダはトップチーム,レッドブルと,若き天才ドライバー,マックス・ヴァシュタッペンを得,6年に及ぶ我慢の月日を超え,やっと開花したのである。現在,ドライバーズチャンピョンシップはヴァシュタッペン,コンストラクターポイントではレッドブル・ホンダがトップである。ホンダに至っては32年ぶりの4連勝中である。今年こそ,今年こそ勝つ。メルボルンで勝つ。そう信じて待っていたのだ。
ホンダは今シーズン限りでF1から撤退することが決まっている。ついに私はホンダのちゃんとした勝利を目の前で見ることができなくなったのだろうか?