今日は,いろいろと大きなニュースがあった。オーストラリア国内のニュースが二つ。仕事関係でひとつだ。
まず,一つ目。
昨日の首相交代の件だが,すでに日本でもニュースになっているようだ。私は「信任投票」と書いたが,実際には現首相のケビン・ラッド氏か,副首相のジュリア・ギラード氏かという投票だったようである。昨日まではラッド氏も「勝てる見込みはある」と虚勢を張っていたが,おそらく票読みして観念したらしく,今朝9時に予定されていた投票を待たずに,ラッド氏みずから首相を退くという決定をしたようだ。
ということで,オーストラリア史上初の女性首相の誕生である。
とにかく,このところ,与党労働党党首,ラッド氏の支持率が下がっており,このままでは次の選挙が戦えないという見方がでてきた。それに対し,副首相のギラード氏は,毎週金曜日の朝のTodayというニュース番組で,野党第一党自由党の党首であるトニー・アボット氏と舌戦を繰り返したりしている。こんな機会をうまくつかんで,彼女の人気は上昇しており,これは彼女をトップに祭り上げた方が次の選挙で有利という考えが,しだいに優勢となり,ついにここで情勢が逆転した。これが,つまるところ,今回の交代劇のあらましである。
というわけで,今朝は,オーストラリアに激震が走ったと言ってもよい。
二つ目。
サッカーのオーストラリア代表サッカルーズ。こちらの方はオーストラリアはセルビアに勝ち,1勝1負1引分けで勝ち点34となった。同日ドイツがガーナに1-0で勝ち,ドイツの首位が決定。2番目はオーストラリアとガーナが勝ち点で並んだものの,最初のドイツとの試合で4-0で負けたオーストラリアが,得失点差でガーナに大きく差をつけられた。したがって,サッカルーズはD組3位となり,敗退が決定した。
最後は私の仕事の話になる。
5月から新チームに加入して,テストをやってきたが,今般,その製品第1号「TOAD for Cloud Database」が発表された。これは現在ベータ版(一般公開して,フィードバックをもらうリリース形態)で,無料でWebからダウンロードできる。ダウンロードはこちらから。
Quest Software: TOAD for Cloud Database (http://toadforcloud.com/)
さて,このページ左側の「Wiki」というリンクをたどると,「Who’s who in the Toad for Cloud Databases Community」というリンクがある。これをさらにたどると,開発チームメンバーの紹介がある。面倒な人は下のリンクをクリックすれば一発で出てくる。
Who’s who in the Toad for Cloud Databases Community
で,私もこのチームの7番目の男として紹介されています。写真は5年以上前のもの。詐欺かよ?まあ,見てください。
ここからは,この製品の紹介。興味ない人は読み飛ばしてね。
Toad for Cloud Database(以下TCDと略す)。まず,Toadというのは,Quest Softwareのデータベース管理用ソフト製品群の名前である。Oracle, SQL Server, MySQLなどに対応した製品がある。今回この製品群のひとつとしてCloud Databaseをサポートする製品が追加されたというわけである。
Cloudというのは,一般の人にはまだまだ浸透していない言葉だが,その名のとおり「雲をつかむような」もので,…といってしまうと身もふたもないんだけど,要するに,インターネット上の「どこか」にあるコンピューター群が,データベース,アプリケーション,はてはコンピューティングパワーそのものをネット経由で提供してくれるもの,あるいはそういうサービスのことである。これでもまだ雲をつかむようなものなのだが,例を挙げるなら,Amazon,Google,Facebook,Twitterといったサービスは,もはやCloudと表現した方がいいものである。使う人は,それがどこにあるか意識しないでも,さまざまなサービスをネット経由で受けているわけである。
で,この製品は,そういうCloudに特化したデータベース群を管理するためのツールである。
Cloudに特化したデータベースというのは,従来のRDBMS(リレーショナルデータベース)とは異なる。
なぜかというと,たとえばFacebookを想像してもらうと分かる。世界中の何千万という人が常時アクセスし,データをどんどん格納してくる。こういうサーバーは,なんと1日に7TB(テラバイト)ものデータがたまっていくのだそうである。
これをどうやってこなすのか?従来のデータベースでは,データ量の増大とともに,性能がどんどん落ちてしまい。使い物にならなくなる。
そこで,データ量がふえたら,その分どんどんハードを足していけば,性能が落ちない。つまりはスケーラブルな造りになっているデータベースが必要となってきた。これがCloud向けのデータベースである。
こういうデータベースは,あまり適切ではないが,NoSQLなどとも呼ばれている。これは,構造が全く違うので,いままでのデータベースへの問い合わせ言語であるSQLを原則として使えない。SQLと無縁という意味だ。(実際には一概にそうはいえないので,適切ではないと言っている)
そうはいっても,Cloudをビジネスで使うとなったら,それなりにきっちりとデータベースの管理をしたい。通常NoSQLデータベースはJavaなどのプログラミング言語を書いて操作するのだが,管理を従来のDBA(データベース管理者)にやらせたいと言ったときに,この人達は,Javaなど書きたくない。なぜ,我々の専門,SQLでできないの?という要求があるのである。
これを満足させようというのがTCDの狙いだ。
まあ,これがすべてではないんだけど,これ以上書いても読んでもらえないと思うので,説明はこのくらいにする。興味のある方は是非ダウンロードして使ってみてください。ちなみにODBC経由で,通常のRDBMSにも使用できます。(Oracle,MySQL,SQLServerと相性がいい)