VCE説明会

今夜はうちの娘の学校に親子3人そろって行き,VCEについての説明会に出席した。
VCEというのは,Victorian Certificate of Educationの略で,大学進学にあたって,学生の成績を証明する証明書,およびそれを取得するためのシステムを指す。おおざっぱに言えば,日本で言うところの大学入試センター試験のようなものである。
「のようなもの」とは言ったものの,かなり違う。

第一に,Victorianというだけあって,これはVictoria州独自の制度である。オーストラリア全国どこでも通用するものではない。
逆に,Victoria州の大学に進学する場合,VCEが必須となる。正確には,もうひとつIB(International Baccalaureate)という国際的に通用するシステムでもいいのだが,IBのカリキュラムを提供している高校は限られている。
また,他州からの学生を受け入れるための制度もあるはずであるが,とにかく,メルボルンおよびビクトリア州内の高校生が大学に進学する場合,通常通る関門である。

第二に,これは単発の試験ではなく,Year11(高校2年生),場合によってはYear10から受講するVCEのための科目の成績と,Year12(高校3年)に一斉に実施される試験の成績の合算成績で,大学入学の考査の指標になる点数が決まるのである。つまり,一発勝負ではないということ。

娘は現在Year10,日本でいう高校1年生だ。この時点ではまだVCEの科目を取る必要はないし,取らない学生が多い。しかし,間もなく,来年からVCEのどの科目を取るのかを決断しないとならないため,本日の説明会が催されたわけである。

今日のお題目は,VCEの制度のあらまし。学生,親の心構えから始まり,科目選択の指針が示された。

科目選択の指針に先駆け,先月受けた適正テストについての説明があった。
この適正テストは,各生徒が,どんな職業に適しているかを判定するもので,約3時間にわたる,各種のテストからはじき出される。
結果は20ページにわたるレポートとして配布されたばかり。

娘は,将来,VETになるのが夢である。VETとは獣医。平たくいえば動物のお医者さんだ。
オーストラリアでは,人間のお医者さんになるよりも難しいと言われていて,これは夢に終わる可能性が高い。
しかし,いずれにしても,この適正検査から,娘は理科系に進む方がいいという指針が出た。
例外的に,社会福祉方面の仕事もいいとなっているが,それ以外はどうやら科学系,それも研究職のようなものがいいと出た。
間違いなく,妻ではなく,私の血を受け継いでしまった。妻は「あんたが余計なことを教えたりするから,こんなことになった!」などと非難するが,理科系女のどこが悪い!?

で,言わずもがなであるが,やはり,自分が好きな科目,得意な科目をとるべきだというアドバイスがあった。

全体会のあと,各科目ごとの説明会があった。
全部で六つぐらいのカテゴリーに分かれていて,それぞれ,20分のセッションが3回繰り返されるので,興味のある科目を三つ選んで聞いて回った。

まずはLOTEの分科会。LOTE(「ロート」と発音する)とはLanguage Other Than English。なんのことはない。要するに,外国語である。
これについては,VCEの得点計算時に,ボーナスポイントが加算されることを再確認。
日本語とフランス語でダブルボーナスポイントを狙う娘にとってはGood News!
ところで,このLOTEの主任は日本語担当の小林先生。今日はこの分科会の説明役だった。「すみません!日本語でやって」と注文したかったが,それは無理ってもんだよね。

さて,理科系ということで,次はサイエンスとテクノロジーの分科会に出席。
オーストラリアの高校の物理,化学も,なかなか侮れないなと痛感。
コンピューターテクノロジーは,iPhoneアプリの開発実習などがあり,私が参加したいほどだった。あるいは別コースでデータベース管理なども学べる。なかなか実践的だなあと感心した。これをまともにやったら,IT関連の会社で即戦力になる。近年日本の高専などでも,優秀なプログラマが育っているようだが,オーストラリアもやればできる。オーストラリアもITで国起こししたらいいのになあ。まあ,そのもくろみ,あるにはあったんだけど,BRICの台頭でつまずいたまんまである。

最後に数学の分科会。
数学の科目にはいくつかの種類があった。先生がいつ息継ぎしているのか?不思議に思うほど猛烈な早口で説明。分かったような分からないような。つーか,ぜーんぜんわからんよー。
おもしろかったのは,Math Methodsという科目があり,二次関数のグラフなんかを表示できる特殊な電卓を使って,いろいろな数学の問題に応用する科目があったこと。
こんな電卓,将来使うのかね!?
とにかく,早口で着いて行けず,終わったら,脳の後頭部付近がだるいような感覚に襲われた。

帰宅後,寝酒をあおったが寝付けず,こうしてブログを書いている。
3年後には娘は大学生。そのとき彼女はどんな勉強をしているのだろうか?

「VCE説明会」への2件のフィードバック

  1. 息子が11年生(Box HillのKoonung Secondary) で、VCEの日本語のインタビュー試験を先日受けました。親としてもVCEがどんなものか知っておくべきと、ブログを拝見しました。わかりやすい説明でした。ありがとうございます。日付をみると2010年となっていました。もうお嬢さんは、獣医になられたのかな、、、。

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