大波再び

このところ,気力と空き時間がかみ合わず,ブログを書かずにいた。
今回は先週の金曜日の突然の出来事について。
それはその朝,いきなりだった。私の所属するチーム。開発マネージャー1名,開発リーダー1名,開発6名,QA5名,サポート1名,テクニカルライター1名,DBエキスパート1名。以上16名。開発チームとしては小規模ないし,中規模といっていいか。
毎日朝10時にスタンドアップミーティングをやる。「スクラム」と称しているが,これは,アジャイル系開発メソドロジでの用語である。このメソドロジで定義するスクラムと,我々が実際にやっていることはかなりちがう。我々のチームでは,要するに,スクラムと称して,毎朝短いミーティングをして,進捗状況やその日の作業の確認をしているにすぎない。

さて,今日は,このスクラムが11時に延期されるという通知がメールで回ってきた。

ところが,10時になると,やはり10時にいつもどおりスクラムをやると,開発リーダーが口頭で皆を招集した。

まず,開始時間が二転したことを詫びたリーダー,次に何をいうかと思ったら,

「実は,11時にしようかと思ったのは,今日リダンダンシーが出たせいなんだ。」

といきなりぶちかました。全員に衝撃が走った。

リダンダンシーとは,要するにポジションの剰余である。
たとえば,あるプロジェクトが終了,あるいは開発フェーズから保守フェーズに移ったとする。そうすると,もう開発のポジションは不要となる。これがリダンダンシーである。
だが,こういう自然発生的リダンダンシーは,割と少ない。実際には上から「このプロジェクトは何人減らせ」みたいなことを言ってきて,それに従って強引にポジションを無くすことが多い。こういう場合はリトレンチ(縮小)という言い方が正しいだろう。
名目はともかく,今回はもちろん,リトレンチである。

上記16名の中から,開発1名,DBエキスパートが1名リトレンチされた。

もちろん,本人たちに落ち度はない。ないが,選定の過程でやはりWeakest Link(鎖の一番弱いところ)と判断されたことは,否みようもない。落ち度はないから,勤続年数に見合う額のリダンダンシーパッケージという一時金が出る。
たとえば,去年,私もリダンダンシーの対象となったが,このときの私のパッケージは,勤続9年にあたり,16週間分の給料プラス,余った年次休暇を時給換算したものだった。ちなみにこのときは,チーム全体がWeakest Linkとみなされ,チーム全員のポジションがなくなった。また,即日ではなく,2回に分けての予告解雇であった点が,今回よりは良心的だ。

今回の場合,朝言い渡し,即日解雇である。

しばらくして気付いた。これはうちのチームだけじゃないなと。
案の定,オフィス内の他チームにもこのリダンダンシーが及んでいた。
合計7名がこの日切られた。

今回も生き延びたが,次はいつなのか?次は生き延びられるのか?はなはだ自信がない。

11時にオフィス全体ミーティングがあった。
まあ,「これこれこういう理由で」というありきたりの説明があった。
世界的な不景気の影響であることは,誰にでも予想できた。
加えて,本社のあるアメリカのドルが下がっている。
これがさらに下がるようなことになれば,私の首も危なくなるだろう。
実際,私はアメリカドルがこの年末か年始早々にかけて,さらに下がるのではないかと思っている。
そうなると,まずい。

その日,私はある決意をして,そろそろ出せと言われていた年末年始の休暇届けを出した。

今年はクリスマスが金曜日。メルボルンはクリスマスと26日のボクシングデーが祝日であるが,ボクシングデーが土曜なので,振替え休日が28日となる。29日から三日休暇をとれば,元旦の休みとつながり,25日金曜から1月3日日曜まで10連休となるのだ。
これが当初の予定だった。

ところが,コスト削減のため,CEO自らが全社員にメールを出し,1月の次の週も休むことを奨励していた。
実際,北米のオフィスはその週をすべて閉めることになっている。

で,私の結論としては,この奨励を全面的に受け入れ,1月4日からの五日間も休み,合計17連休としたのである。
このエクストラの週は何をするか?

ひとつには,懸案だったWebサーバーのマシン入れ替えとLinux化。これを集中してやろうと思う。
そして,ある決意とは何かというと,もうひとつ,この週に集中して勉強し,1月28日に予定されているISTQB(International Software Testing Qualifications Board)の認定試験を受けることにしたのである。
これは,ソフトウェアテスターの技量認定試験で,その名のとおり,その認定証は世界中で通用するものだ。

まずは,Foundationレベルという一番下のレベルで,試験はそんなに難しくないので,全然心配はしていない。
そうはいっても,会社においてあるテキストブックをまるまる一冊読んで,ある程度は準備しなくてはならない。
面倒だが,仕方がない。とにかく,自身を武装していかないと,首が飛んだときにつぶしが利かない。

とまあ,この浮かれたクリスマスシーズンに,ちょっと決意を新たにしたのであった。

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