車海老…じゃなかった

土曜日,軽く週末の買い物をする。しかし,その前に,次期主力戦闘機(要するに,次に買うクルマ)の視察。
そう,車海老じゃなくって,「くるまえらび」である。中高年男性症候群の原因のひとつである。

この不景気に,なぜ次期主力戦闘機か?この経緯は,ややこしいので省略する。
特にウチが景気いいという訳ではない。不景気にあえいでいるという点では,いずこも同じ。ウチとて例外ではない。
しかし,我が家に起きた,二つのあるイベント(幸い,事故とかではない)が,偶然同時期に重なった結果,あまり選択の余地なく,やむを得ずそろそろ動き出さないとならない状況になった。とだけ,言っておこう。

実は,視察は先週から始めており。とりあえず,近所のホンダとCity付近にあるマツダのディーラーを見た。

今日は,ちょっと遠いが,ディーラーが集まっているので,Nepean Highway沿い,ElsternwickからBrighton地区にかけて舐めた。
Ford,Toyota,そして再びHondaと見た。

Fordは,平凡がエンジンを積んで走っているようなメーカーである。オーストラリアでの宿敵ホールデン(GM系)とは,どんぐりの背比べ。まあ,ガソリン代が気にならなければ,大型車でドロドロと湯水のように沸いて出るトルクの虜になるのもいいだろう。セダンが良ければファルコン。SUVならテリトリーだ。テリトリーには,2WDという,お父さんの気持ちを竹のようにスパッと割り切って理解した,前代未聞の必殺廉価版見栄SUVモデルもある。もちろんFFではなくFRである。ぬかるみにはまったらアウトだから,オフロードに出ないように。
小型部門ではもう,惨憺たるものである。なにしろ,欧州産モンデオ,南ア製フォーカス,マツダ2(デミオ)の姉妹車フィエスタ(これはドイツ製らしい)と,腹違いどころか連れ子姉妹寄せ集め軍団。なんといってもマツダの血を引くフィエスタの出来が一番で,Fordは末っ子が一番優秀という,よく言えば頼朝-義経兄弟,悪く言えばバカボンの家族のような陣容である。
フォーカスがお目当てだったが,フィエスタより数段見劣りして,がっかりして帰る。

Toyotaでの今日のお目当ては,数日前に出たCamryのマイナーチェンジ版。
グリルが横一直線でなくなり,おでこ中央のトヨタマークを下によけるようにカーブさせた形状になった。違いといえばそれだけか?トヨタマークもさらに大きくなったように見える。気のせいか?
前よりもバルタン星人にいっそう似てきた。
今,通勤に使っている97年モデルでさえ,とってもいいクルマだから,最新モデルはさぞやいいんだろうな。
確かに,去年ニュージーランドでレンタカーしたカムリも良かった。
でも,これって,「あの人,いい人なんだけど…」である。
いいクルマなんだけどなあ。このクラスとしては,他社の同クラスに比べて5-7千ドル安いしなあ。でも,欲しくない。どうしてなのか?
カローラ?そりゃあ,いいに決まってるよ。世界一のトヨタさんがイチ押しで売っている世界一のクルマだぜ。
ヤリス(ビッツのこと)?それもカローラの弟分だから,いいに決まってるって。ダッシュボードの中央にスピードメーターがあったりして,みんなで見れて楽しいね。
だけど,どれも欲しくねえ。どれもこれも,ウルトラマンか,それに出てくる怪獣を思わせる。でもって,カッコは整っているが,惹きつける何かが決定的に欠けている。
もちろん,日本にいけば,マークXとか,すっごく良くて,なかなかイケメンなクルマをトヨタ車からも見出せる。しかし,オーストラリアに居ては,これはできない相談なんだな。

F1からの撤退で,ホンダには失望させられた。しかし,ホンダのクルマはやっぱり魅力的だ。
Ford,Toyotaと日豪の平凡コンビを見たあとだけに,いっそうその感がつよい。
ホンダ車のドライバーズシートに納まると,血が騒ぎ,やがてうっとりして,ため息が出てしまう。
もちろん,ホンダといえども,日本にいるほどの選択肢はない。
出色はなんてったってEuro(日本でいうアコード)である,オーストラリアで買える日本車で一番美人だと思う。でも高すぎ。一番安くて4万ドルに限りなく近い。超高飛車値段。届かない!
Accord(日本ではインスパイア)は,昔のモデルに比べると,格段にカッコ良くなった。Euroより安い。
なぜなら,ここに来ているAccordはタイで作られているからだ。タイのクルマには関税がかからないのである。そのため,純日本製のEuroより大きいのに安いという逆転現象が起きる。
これは狙いだ。しかし,うーん,それでも高飛車値段で手が届かない!本田のHマークは一個3000ドルぐらいする。前後あわせて6000ドルである。
他の車種は?
Civicはなんだかヘンな面していて,前から見ると,ネクラの鷹。後ろから見ると,びっくりした猫みたいで,いやだ。最近出たCity。うーん装備はすごいけど,デザインがおとなしくって,血が騒がない。
Jazz(日本ではフィット)はカッコイイと思う。だけどなー,おじさん,この歳になって,こんなツンのめり車に乗りたくねえなあ。確かにかっこはいいけどね。でもモデルチェンジ後は,Mazda 2(デミオ)に負けてるぞ。

んな感じで,決定打に欠いた。
どうすっかなー。

楽しいはずのクルマ選び。オーストラリアでのそれは,いかに妥協するかという,悲しいプロセスの連続である。

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