…なんて,ありえねーって,ちょっとでも野球を知っている人ならすぐに分かる。しかし,これに匹敵するアリエネーことが起きてしまった。
娘とそのオジーの友人,計3人の小娘を連れて,東京に来ている。
ウチの娘は日本語ができるとはいえ,いきなり慣れない東京でポン!っと3人放し飼いにするわけにはいかない。
だからといって,親の我々が常にくっついて歩くというのは負担が大きすぎる。
第一,そういうことなら,そもそもこんな旅は計画しないもんね。
さすがにもう中三に当たる学年。実際,場所さえ選べば,放し飼いは可能である。
たとえば,私の実家の近所の歩いて行けるショッピングセンター。
そして,檻,じゃなかった,囲いがあるところ。そう!ディズニーランドなんかなら大丈夫。
ま,これは放し飼いとは言えないのかもしれないが。
そうは言っても,放し飼いにするための必須条件として,やっぱり携帯を持たせないとまずいだろう。
ということで,今回,この3人娘に一つ携帯電話をレンタルして持たせることにした。
事前に調査して,Softbankのレンタル携帯を借りることにした。Webで予約,当日,到着してすぐに,成田第二空港ビル地下にあるソフトバンクのレンタルショップに行って,借りた。
メルボルンからシドニー経由成田行きのQantas,QF21便は,早朝成田に到着する。携帯を借りると,成田空港第二ビル駅から,成田エクスプレス2号という朝一番の成田エクスプレスに乗った。新宿行きだが,山手線半周にお付き合いするつもりはないので,東京で下車。中央線快速に乗り換え,わが街,中野に到着。そこで夫婦二人は小娘3名を分けて,タクシー2台に分乗して,実家に向かった。ここまで,まあまあ順調な旅だった。
私は娘とは別のタクシーに乗って先発した。後から付いてきたタクシーに乗っていた娘が,実家の前で下車したら冴えない顔をしていた。
な,な,なんとー!ここでアリエネーことが発覚したのだ。
借りたばかりの携帯がない!
しかも!
しかもだ。
娘は,落とした場所を確定できていたのである。
成田エクスプレスを東京駅で下車するとき,座っていた席付近に落としたのだという。
しかし,それを拾う前に,何かをせきたてられ,別のことをしてしまった。
そして,さらに急がされて(親が早く降りろと催促したというのが彼女の主張),落とした事実を忘れたまま,拾わずに下車してしまったという。
そして,30分以上経ったタクシーの中で,ようやくその事実を思い出したという。
アリエネーだろう。
どうしてその場で拾わずにいられるのか?
また,そのときすぐ拾えなかったなら,どうしてそれを,キレイサッパリ忘れられるんだ?
ベストフレンド二人との,待ちに待った東京行き。ハイになりすぎていた。
言い方を変えれば,気が緩みきっていた。
そうとしか言いようがない。
着いて早々のどたばた。JR東日本の遺失物係の電話番号をWebで調べ,そこに電話しても,まずお話し中。やっとつながると,今度は自動メッセージを聞かされ,つないでもらうまで待ち続ける。
やっと担当の人が出ると,落としたものの詳細を告げる。それをその担当がデータベース検索にかける。結果が出るまで3分ぐらい待たされる。
見つからなかった場合。その後出てきたら,連絡をくれるようにというお願いはできない。
日時を変えて,また同じ手続きを最初からやるしかないのである。
これをこの4日間数回続けているが,未だに出てこない。
今日,火曜日に出なかったらあきらめて,紛失届けをソフトバンクに出すことにしている。
もちろん,悪用されると困るので,紛失届けは出さないまでも,すでにSoftbankに連絡して,この番号は止めてもらってある。
今回は,こういうときのための保険を掛けていない。
保険をかけても半分ぐらいしかカバーされないが,いくらかましだっただろう。
保険がないから,全額弁償である。
本体,SIMカードなどで,約5万円の痛手だ。
おめーなー,おめーの小遣いの何か月分だよ。もう向こう2年間ぐらい,小遣いは無しだ!
そうでなくても,夜間フライトで頭が痛いのに,着いてからほとんど休む間もなく,対策に明け暮れた。
先が思いやられる。ああいやだ。
それでも,しゃーしゃーと,休日を楽しむお嬢様方。
いいねえ,オジーは楽しそうで。
こうなったら,少しでもこの日本行きの旅行を楽しく過ごしてもらう。有意義な旅にしてもらう。
それしかないか。
楽しそうな娘の顔を見て,そう思う甘い父親であった。