23年前のこと

昨日は私たち夫婦の結婚23周年記念日であった。
夕食は,近くの”Pseudo”日本食レストランで,娘も入れて3人でささやかなお祝いをした。
今回は,特に特別な記念日ではないが,あと2年で銀婚式だ。おっそろしいことじゃ!

23年前の結婚式の日のことが思い出される。
特に,その日の夕方以降。友人のみの宴会になってからのことは,すさまじかった。

1次会では,新郎新婦(つまり私達)が入場し,まずは二人でビールを一気飲みというところから始まった。
しょっぱなからアルコールが絡んでいる。
まあ,1次会のそのあとは,ありきたりのよくあるパーティーで終わった。

問題は2次会だ。

中学高校と弓道をやっていたが,その仲間の一部は大学まで弓を続けた。

そいつらをさそったのが,運の尽きであった。

私は高校3年のとき副将をやったが,そのときの主将,Mが問題児だった。
私のイニシャルはMNだが,こいつはNMだ。イニシャルが逆になると,こうも違うものか?
とにかく,中学のときに,他人のノートにマジックでいたずら書きしたり,破いたり,辞書に千枚通しで穴をたくさん開けたりと,小学生低学年程度のいたずらの常習犯だった。これが高校生になっても,基本的には直らなかった。そういうやつである。
ちなみに,こいつが,昨年ぐらいまで,慶應義塾体育会弓術部の監督をやっていたのだから,学生さんもかわいそうである。
まあ,それでも現在男女とも大学リーグで1部にいるようであるから,結果を残しての勇退だったのだろう。そこは一応評価している。
しているが,少なくとも23年前には,そのいたずら好きが直っていなかった。

2次会は,そいつらというか,慶應義塾体育会弓術部の飲みつけの店,いわゆる「たまり」に連れ込まれた。
会社の同僚も数人が付いて行った。そして我が新妻もいっしょである。

Mは出来上がっていた。最高にハイになっていた。
最初の被害者は会社の同僚のA君だった。いつもトラッドで決めていたA君。シャツの袖をすこし引き上げて二の腕のところで止める金色のスプリングのバンドを両方の二の腕にはめていた。金色に光りすぎたのがあだとなった。

「お,きみー,いいのしてるじゃんかよ。何だよこれ,何だ!」
Mは初対面だろうと容赦しない。スプリングをいじりはじめた。

「おー,かっこいーねー,びろーん」
とか言って,スプリングをおもいっきり引っ張ってしまった。もちろん伸びきってしまって元には戻らない。

「あー,これ,今日買ったばっかなのにー!」
A君は泣いていた。

後日,同じようなものを買って弁償したが,全く同じものが見つけられず,彼には本当に悪いことをした。

私も何度か焼酎でイッキをやらされた。こっちも意地だから気合いで受けて立った。
そのうち新婦までやらされていた。

Mの素行はますます悪くなり,やがて,回りにいる人間に当たり構わず絡みはじめた。
止めに入った同期のOとT,構わず暴れまくるM。
全く手が付けられず,OとT二人がかりでタクシーに乗せて帰してしまった。

TはMに何度も胸を殴られ,後日痛みが引かないので,医者にいったら,肋骨にヒビが入っていることが判明した。

Oの方は一緒にタクシーに乗り込み,最後まで送っていったが,Oにしたって,何度も焼酎のイッキをやっており,泥酔状態である。
翌日の記憶はほとんどなかったらしいが,かすかに覚えているのは,なぜか,タクシー会社の車庫にいて,タクシーの後部座席を水で洗い流していることだったそうだ。もちろん,Mがぶちまけたお好み焼きの始末である。掃除が終わったら,さすがにだいぶ酔いがさめたそうである。

我々はというと,六本木から地下鉄日比谷線にのって,新居である元住吉に帰った。
ほとんど満員の東横線。立ってはいるが,妻はほとんど正体がなかった。なにしろ,無理やりイッキをやらされ,焼酎をしこたま飲んでいる。
「ぐ,ぐるじいいいいい」
とか
「ぎ,ぎもぢわるいいいい」
とかいっては,駅に着く度ホームに降りてしまう。これを3回ぐらい繰り返した。川を渡ったか渡らなかったか定かでないが,やがて終電も降りてしまい,仕方ないので,タクシーを拾って新居に向かった。タクシーの中で,なんどもゲロゲロ寸前になり,運ちゃんに怒鳴られた。
「おきゃくさーん!吐くなら降りてもらうよー!お金もらったって合わないんだからね!」
なんとか我慢させて,新居にたどり着いた。
1DKマンションの3階。中にはいるなり,床に転げ落ちるようにして寝てしまった。妻はトイレに駆け込んだのだろう。3時ごろだったろうか?気がついたら,妻はトイレの入り口付近で寝ていた。

なんて素敵な初夜だろう。そんな日から昨日で23年。

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