今,東京にいる。12月20日土曜日,一日かけてたどり着いた。
今回は,2日前に就航したばかりのJetStar ゴールドコースト発成田行きフライトを使った。つまり,就航3日目ということだ。注:執筆時は12月21日の夜である。インターネット接続設定に時間がかかり,掲載日付は1日遅れの22日となっている(Mixiでは2日遅れ)
昨年は,シドニーから関西空港行きのJetStarを使い,3時間遅れと荷物が届かないという散々な目にあいながらも,再びJetStarである。まあ,理由は簡単で,単に安いということ,背に腹は替えられないということになる。前回はシドニーまではQantasだったが,今回はメルボルン=ゴールドコースト間もJetStar。同じ航空会社なら,まさか荷物も無くなるまいという予測で,よしとした。
唯一不安だったのは,ゴールドコーストの乗換えがどんな具合かということである。この路線に興味がある人も多いと思うので,今回はこのことを中心に書いてみたい。
このゴールドコースト=成田線であるが,これに間に合うようにメルボルンを出る便は,早朝6時10分発である。JetStarでは,遅刻した客は容赦なく切り捨てるので,早め早めの行動が肝心だ。
で,国内線なので,出発1時間前が荷物ドロップのリミットとなる。そこで余裕を持って4時半には空港に到着という目標を立てた。すると,家を出るのが4時丁度。さらに逆算して,起床は3時半となった。日本時間で午前1時半。私にとって3時半というのはどちらかというとそこまで起きていたというケースはあっても,その時間に起きるなんて,トイレ以外にあり得ない。
まったく理不尽な時間に起きるはめになった。ここがまず,欠点の1つとなることを挙げておく。まあ,たまにのことなので,これでもいいと割り切るしかない。
次,JetStarの国内線は,基本的にチェックインの手続きは自分でやる。方法は二つあって,Webでやるか,カウンター前にあるKioskと呼ばれる端末を使うかである。どっちでやっても簡単ではあるが,24時間前からできるWeb方式がお勧めだ。
このどちらも使わずに,カウンターでチェックインすることはできない。カウンターはあくまで自分で打ち出したボーディングパスのチェックと,荷物のドロップをするところとなる。
で,覚えておくポイントは,これは国内線の場合であって,国際線の場合はカウンターでチェックインとなる。なぜなら,国際線の場合はパスポートのチェック/入力などが必要だからだ。
次に押さえておくべきポイントは,JetStarのゴールドコースト乗換えでは,荷物をスルーにできないということ。つまり,ゴールドコーストで,一旦荷物を自分でピックアップし,それを持って国際線のチェックインに並ぶことになる。
ここがシドニー乗換えやブリスベン乗換えののQantas便と大きく異なるところ。Qantasの場合,行きは荷物はスルーで,帰りは荷物を引き取り自分で運んでチェックインとなる。帰りは乗換え地で入国手続きだけでなく,通関の必要があるため,荷物と共に通ることとなり,どうしてもこういう手順となるが,行きはスルーにできるはずだ。ところがJetStarではそうならない。
今,思いだすと,行きの乗換えで荷物がスルーになっていないことの影響はかなり大きいマイナスポイントである。
さて,本題の乗換えの実際に入ろう。
ゴールドコースト,クーランガッタ空港は,元々は国内線のみのマイナーな空港だった。現在空港施設はまだ拡張工事の最中である。そして,現状ではただの古い,いなかの飛行場である。これが,以降述べる数々の問題の原点だ。
したがって,工事完成時には以下の話は変わってくるかもしれないが,とにかくも,これから少なくとも半年ぐらいは状況に基本的変化はないと思う。
まず,空港ビルであるが,滑走路と平行に隣接している細長い建物で,基本的にはビルは一つしかない。
つまり,シドニーだとバス,ブリスベンだと電車で国際線ターミナルと国内線ターミナルを移動しなければならないのに対し,ここでは歩いて移動できる範囲であり,これは楽である。
しかし,楽なはずが,実際かなり歩かされた。
まず,飛行機を降りるときは,タラップでいきなり地上に降ろされる。(蛇足だが,タラップというのはオランダ語だそうだ。)
タラップを使うなんて,国賓並みだ!なんて冗談を言っていたら,下ろされたのはビルの端付近で,ビルへの入口はビル中央付近にあり,そこまでかなり歩かされた。
これは出発時も同様で,ビル中央付近から今度は空港ビルの反対の端を越えたところまで歩かされ,タラップを登っての搭乗となる。
さて,空港ビルであるが,滑走路から見て,右半分が国内線で,これがターミナル1。左半分が国際線でターミナル2となっている。
ところがである。
それとは別に,ターミナル1にはJetStarのカウンターがあり,ターミナル2にはVirgin Blueのカウンターという具合に分かれているのである。
つまり,ここでのポイントは,
滑走路から見た場合,ターミナル1は国内線で,ターミナル2が国際線。
しかし,空港入り口としてみると,ターミナル1はJetStarでターミナル2はVirgin Blueとなる。
もうひとつ注意点があって,両ターミナル間は,乗客はビル内を通って移動できない。ターミナル1と2の間を移動するには,一旦ビルの外に出て,歩道を歩いて行かなければならない。
で,具体的にどうするかというと,
到着して空港ビルに入ると,直進がVirginの客。JetStarの客はそこで右折してターミナル1へ通される。荷物を受け取るのはターミナル1のビルの端にあるターミナル1唯一のカルーセルである。
そして,その国内線側ターミナル1の中央寄りにあるJetStarのカウンターで国際線のチェックインを受ける。
荷物を預けたら,外に出て,歩道を通ってターミナル2に移動する。
ターミナル2には,ビル中央寄りに搭乗エリアへの入り口が二つある。中央寄りが国内線。その隣が国際線用,つまりイミグレがある方である。どちらも最初の関門は手荷物チェックなので,よく表示をみて間違えないように。
手荷物のチェック後,出国手続きを通って,搭乗ゲートへたどりつく。
で,問題はいろいろあった。
まず,上記のように,JetStarはターミナル1のみであるが,空港施設の表示は,Internationalとだけ案内があり,これがなんと,空港ビルの外に矢印が向いている。どういう意味かなと思って,人の流れをみていたら,外を通ってビルの反対の端方向に人が流れていった。これでひっかかって,荷物を受け取ると迷わず,荷物をころがしてターミナル2に移動してしまった。ところがここにはJetStarのカウンターはないのだ。人に聞いて,チェックインはターミナル1だと知らされ,また荷物を転がして,ターミナル1へ戻った。
JetStarのチェックインは長蛇の列だった。しかしみんな荷物を持って並んでいた。結論からいうと,それに並ぶしかなかったのだが,この時点で,我々は,JetStar = セルフサービスという思込みがあり,国際線のチェックインも自分で端末を使ってやれば,荷物ドロップだけでほとんど並ばないで済むと思ってしまった。実際,端末のあるところのカウンターは殆ど誰もいない。そこでセルフチェックインをやろうとした。ところが我々の予約コードは機械が受け付けてくれなかった。よく考えたら,これでは国際線のチェックインは不可であると気づいた。そこでしかたなく,その長蛇の列に並ぶことにした。
ところが,ゴールドコースト発JetStarは成田と関空の便が30分違いで出る。関空行きが先に出るため,チェックインは関空行きが優先となり,成田行きはまだ並ばないようにと指示された。ちなみに日本人スタッフを数人雇っており,こういう指示は向こうが我々を日本人と見定めてくれさえすれば,迷わず日本語でやってくれるので楽である。これが唯一の良かった点かもしれない。
数分後に,成田行きの客は列の後端から数メートル離れたとこに別の列をつくって並ばされた。しかし関空行きの列の進みは異様に遅く,そのままほとんど30分ぐらい動かなかった。
やっと関空の客が一段落して,成田行きがロープで仕切られた区間に導かれた。そのとき我々の後ろにはすでに100m近い列ができていた。これはどんどん長くなり,やがて折り返して,並び始めの位置まで戻ってきたから驚いた。合計で200mぐらいあっただろう。こうしてチェックインに2時間近い時間がかかった。チェックインカウンター付近は人であふれ,通り抜けるのも大変な状態になっていた。要するに,2日前から始まった国際線の客をさばけるキャパがまだないのである。
このキャパ不足は,次に,ターミナル2に移動し,出国手続きを終えてからあとに,さらに顕著になった。出国手続きのブースは5人しか係員がいない。ただし,先ほどのチェックインの人数も似たり寄ったりで,チェックインがボトルネックとなっているため,出国手続きはそれほど並ばないでいい。約5分ぐらいのものだった。
出国手続きが終わって隣はいきなり免税店である。これもコンビニ程度の大きさ。そこを出ると搭乗ゲートだが,実際に使っているゲートは20日の時点では二つしかなかった。ここに乗客があふれかえり,どんどん空いている椅子が少なくなり,やがて地べたに座っている人なども現れた。
我々のゲートは12。隣のゲートはなぜかすでに客を並べさせていて,狭い待合室を二つに分断し,人の通り抜けをさらにやりにくくしていた。いったいどうしてこんなことをしていたのか全く不明である。
まあ,とにかく,粗末な古いビル。現在拡張工事中だ。カオスである。ほとんど陥落直後のサイゴン空港であった。
今日,NHKの朝の番組で,格安航空会社のことが取り上げられ,JetStarの人間がスタジオに呼ばれていた。要するに,クーランガッタは空港の使用料が安いらしい。こうして安全を犠牲にしない範囲で,いろいろコストダウンを模索している。その結果がこういうことになっているようである。
最後に,飛行機であるが,メルボルンからの国内線は相当古い飛行機で,スクリーンも一切なかった。国際線の方はいくらか新しかったが,大スクリーンはなく,ところどころに小さなスクリーンがあるだけ。個人スクリーンはない。なぜならエンターテイメントシステムは有料だからだ。予約しておけば,専用端末を持ってきてくれる。
どちらの飛行機もシートはレザー張り(ただし,本革かどうかは不明)で,まあまあだった。クッションもしっかりしている方だろう。
Jetstarは相変わらずお勧めはできないが,比較的空いている時期なら,ストレスも少ないだろう。また,カウンターやターミナルの位置などを把握してしまえば,トラブルも少なくてすむ。フライトを選ぶとき,運賃はもちろん最重要項目であり,こういう裏があることを覚悟で,納得ずくで選べば,後で腹も立たないだろう。
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