昨日の夕方から騒がれているが,メルボルンの超名門カトリック系私立男子高校で不祥事があり,12年生(高校3年生)全員,約250名が自宅謹慎となった。ニュースになっているので,実名を隠す必要もないだろう。この学校,KewというサバーブにあるXavier(英語読みゼイビア,日本ではザビエルとかハビエルと言った方が通るかもしれない) College という。 自宅から車で15分。会社からなら10分ほどの距離にある。知人のご子息も卒業しており,他人事とは思えない。
何があったかというと,これは,一つではない。また,すべてが公表されているわけでもないだろう。
あえて,一言で言うなら,昨日は,学内の試験の最終日で,試験の後,馬鹿騒ぎするのが恒例になっているらしいのだが,その馬鹿騒ぎが度を越してしまったということになるか。
酒を浴びるように飲み,学校内外で大騒ぎをし,近隣住民に迷惑をかけ,付近の交通を妨げた。ビール瓶をあたり構わず投げ付け,付近の建物の屋根に乗って飛跳ね,果ては目出し帽を被ったグループがタクシーを呼びとめて,ボンネットの上で飛跳ね,車にダメージを与えたという。
そしてラグビーのような球技がこれも恒例となっているらしく,プレー中に乱闘となり,けが人がでて,病院にかつぎこまれた。
騒ぎは,自宅謹慎が命じられた後,夜まで続いたということで,警察も出動。現在他校の生徒も関わっていないかを含め,加害者を特定中。場合によっては,刑事罰も科せられる見込みである。
内部リークによれば,今年卒業する,この代の生徒は,その行状が過去30年で最悪と言われているそうで,実は去年も不祥事を起こしている。この事件は誰かがビデオ撮影し,ご丁寧なことに,YouTubeにアップされていたらしい。それは,今日のニュースでも流されたが,大勢の生徒が踊り狂う中,一人が樽状のプラスチック容器に入れられ,それを数人が蹴っ飛ばして倒している映像であった。要するにいじめである。そしてこのときの「いじめられっ子」が今回も前述の乱闘で足を折られて,病院に担ぎ込まれたという。
もちろん,全く関わっていない生徒もいるだろうし,むしろそちらが多数派ではないかと思うのだが,学校はこの騒ぎを重く見て,全員の謹慎を決めたようである。VCEという日本で言えば共通一次試験のようなものが間近に迫っており,このあと,学校はどういう対応をとるのか,そして警察は生徒を検挙するのか?しばらく目が離せない。いずれにせよ,少しきついお灸をすえておくのも,彼らの将来のためになるのではないかと思う。親達がその財力をかさに,不当に甘い処分に終らせるようなことがないよう,切に望む。
以前,いじめについて,娘の学校の先生に話しを聞く機会があった。そのときにその先生が話していたことに,「学校によっては,ある種のいじめは学校の名物みたいになっており,公然と行なわれていたりする」というものがあったのだが,今回の件はまさにこれの酷いケース,しかもいじめに限らず,名物の悪事がすべて顕在化したものではないかと思う。
この学校は,カトリック系ということもあり,さらに学費が高いことでも有名で,もし息子がいたとしても,そう簡単に入学させることはできないのである。それだけ,超エリート校なのだが,こういう問題も抱えていたということだ。まあ,金持ちのボンボンがいい気になってやらかしそうなことではあるが,ちょっと今回の事件は度を越し過ぎている。残念ながら,カトリックをもってしても,躾がちゃんとできなかったということで,これは学校が悪いのか,生徒が悪いのか,はたまた保護者が悪いのか。おそらくその全てではないだろうか。
そして,もっというなら,「伝統」という名に包まれた悪しき習慣が,今回,今までになく膨らんで「勃発」したのが今回の事件ではないかと思う。私も一応,「伝統ある」私学を出ており,そういうたぐいの「悪しき伝統」は数限りなく見てきたし,自分もその流れで悪事に加わっていたと思う。私がしたことなどは,かわいいものだが,その中には,学生だから許されることもあるが,世間で通用しない悪事もたくさんあるだろう。この国に限らず,日本でもどこでも,こういうことが起きる火種を持っているはずだ。
しかし,これが学校という閉鎖された社会に隠されているだけに,事は簡単ではない。
以上,とりとめもないが,ニュースの練り直しから始めて,私見を述べてみた。結論として,何を言うでもない。非常につまらないブログであった。ここまで付き合っていただき,ありがとうございました。