会社のトイレで小用のあと,目の前が真っ暗,いや真っ白?とにかくスーっと血の気が引いた。いやいや,病気じゃないんだけど。まあ,聞いてくだされ。
来週後半から東京に行く。
年末,スキー行きが決定した。
ということで,悩みはいつもスキーの道具。
さすがに板を持っていく気力はない。それに,今持っている板は20年以上前に買った200cmの板。こっちの山で滑るにしても,もう使う気はない。
で,板は借りることになる。
靴だ。問題は。
前回,2年前はレンタルしたのだが,あまり品揃えがなく,もうひとついいものがなく,しかも,サイズが合うものがやっと一つなんとか見つかった。今回も同じホテルだ。サイズが合うのがなかったらどうしよう!?
そこで,今回は,思い切って,自分の靴を持っていこうと思ったが,やっぱり冬物の服を持っていくので,荷物がかさばり,無理っぽい。
だったら,前もって送ってしまえということになった。
事情は娘も一緒だったので,娘のも入れて,合計2足。ついでに,隙間や,靴の中に3人分のグローブとゴーグルと,妻のスノーブーツを一箱に詰めた。
善は急げで,今日,会社に行く道の途中にある郵便局で発送した。10Kgをやや下回る重量。Express便で$124.90也。4日間レンタルすることを考えれば,まあ,そんなに大差ない金額じゃないの?
もうスキーブーツは,いっそ東京の実家に置いていこうかと本気で考えている。
さて,完了完了!
車に乗って,もうすぐ会社に着くというとき,ちょっと,いやな感じがした。
「会社に行く途中だったんで,さっきは,ちょっと気が急いていたなあ。ちゃんと宛名書いたよな。うーん。あ,そうか,控えがあるから確かめればいいんだ。よし,会社に着いたら,確認だ。」
そう思ったら,その場は安心してしまった。確認のことは,1-2度思い出したかもしれないが,忙しさにかまけて,その場では何もしなかった。
昼休みになった。
「さてさて,うちの親から頼まれているクスリ(やばいやつじゃないって)を買いに行くか。」
このまま素直に行ったらアウトだった。
エレベーターホールで,気が付いた。「そうそう,おととい値段調べをして,結局どれがお得か計算してなかったっけ。」
再び席に戻る。
PDAにメモってあった薬の分量,一瓶あたりの錠剤数と値段を見る。ここから,半年分の値段に換算して,どれがお得か比べてみた。
「やっぱりそうか。Chemist Warehouseより,交差点そばの健康食品屋のやつが最安値だ。」
「おーし,あそこの店に行くぞ。」
このまま素直に行ったらアウトだった。
エレベーターホールで,「あ,その前におしっこ!」
トイレに入った。
壁に向かって用を足す。(こっちの男性用公衆トイレは,たいてい壁ひっかけタイプです)
「ふー,やれやれ,クスリを買えば,旅行前の仕事は一段落だな。今日はスキーブーツも送ったし。」
ん?
「スキーブーツ。ああ,そうそう,控えを確認するんだったね。」
札入れから控えを出す。あ,もちろん,用が終わってからですよ。いや,実は,かべにおしっこをひっかけている最中にすでに,あの,いやーな予感が蘇っていた。
「粗品」をしまいながら,そのいやな予感は,絶望に近い感情にまで育っていた。
「東京都中野区新井」
Araiと書いた記憶がない。
「書いてないかなー?書いたよね?いややっぱり記憶がないしなー…」
控えを開く。大あたりー!抜けてました。
再び席に戻る。今度は駆け足。控えには郵便局の電話番号までは書いてない。ただ,受付番号から今どこに小包があるかを調べるための受付番号はある。でもここで分るようだったら,もう遅いってことだ。
FireFoxを開く。ここでググッている暇はない。
たしかURLは…
www.australiapost.com.au と直接タイプ。
よし,一発で開いたぞ。ここからあの郵便局を見つけるのにはそんなに時間はかからなかった。しかし,その間,最悪のシナリオが頭をよぎった。
「万一,あて先不明と判断されたら?多分,送り戻される。向こうに着くのに3-7日(Working days)といわれたから,往復したら,早くて来週の木曜。もうこっちを発ってる!だめだ,まにあわねえー!」
なんて考えながら,一縷の望みを託して…
電話だ!
「もしもし!今朝,インターナショナルパーセルを出したんだけど,アドレスに間違いがあって…まだそこにありますか?」
Express便だしね。多分だめだろうな。
「え?どんなやつ。大きい箱?お名前は?今集配車が積み込むところなのよ!」
「ネモトです。ニモートゥ!”N”, “E”, “M”, “O”, “T”, “O”」
「ああ,これね,あるある。あなた,すっごくラッキーよ。今,出そうとしてたんだから!」
「ああ,よかったー!それまだ送らないでくださいー!」
奇跡であった。ほんの一瞬の差と言ってもいいくらいだ。手遅れになったら,$124.90の郵便代は無駄になるところだった。それだけじゃなくて,その代わりにレンタルもしなければならず。二重の損失になるところだった。
電話を切ると,すぐに郵便局に直行。「Arai」を書き足して,一件落着!
あーつかれた。
朝はやっぱり,ボーっとしてるんだね。
誰だよ「早起きは三文の徳」とか言ったやつは!?
しかし,Express便とかいいながら,出してから3時間以上たって,集めに来るの?
意外とのんびりしてるね。
そのおかげで助かったんだけどね。